■所属機関: 病院
職種: リハビリスタッフ
質問・疑問等: 貴重なご講演ありがとうございました。
排泄ケアに対して深く考えることがなかったため、非常に良い経験になりました。
当院では、脳外科や整形外科の急性期から回復期を通して在宅へと幅広く介入しています。
その中で、よく患者様が入院してすぐの期間に多く、便秘になることあります。
環境の変化でのストレスなどの要因が考えられますが、リハビリでは臥床期間の長期化により、特に腹斜筋の柔軟性低下による腸内運動の低下が考えられるのではないかと普段の臨床で感じております。そのため、腹斜筋に対して、伸張性向上のアプローチを行うと翌日やっと出た。
と言っていただけることが多いです。
便秘との関連性は考えられますか?
お答え
ご質問ありがとうございます。
運動と排便に関する研究は多くはありませんが、運動をする人の方が便秘になりにくいという報告はあります。入院して便秘になる原因は、運動量の低下に加え、原疾患、薬剤、食欲低下、ストレス等他の多岐にわたる要因があるので複合した結果と思います。2023年の慢性機能性便秘診療ガイドラインでは、便秘に対して腸のマッサージを15分以上実施すると効果があると報告されています。
個人的には、腸管運動を外力から促すには、マッサージだけではなく、腹臥位および、ひねりの運動が腸管に刺激を与える可能性があると考えています。腹斜筋はひねりにも関係した動きになるので、腸管運動の刺激の可能性はあると思っております。ぜひ研究をしていただきたいと願っております。
■所属機関: 病院
職種: リハビリスタッフ
質問・疑問等:
ご講義ありがとうございました。
急性期・回復期のケアミックスの病院に勤めている理学療法士です。
中々考えることの無い視点からのお話を聞けてとても勉強になりました。
しかし、実際に病院に勤めていると患者数は多く各個人に対しトイレ誘導を患者様の好きなタイミングで誘導するのは難しい部分もあるのでは無いかと思っています。
その辺りの対応のしかたについて先生のお考えが何かあれば是非お伺いしたいです。
よろしくお願いします。
お答え
ご質問ありがとうございます。個人的にトイレ誘導を実施することは困難ではありますが、一律にお連れするより、結果としては効率が良いと思います。ただ、それには基本となるデーターが必要で、特にご自分で訴えない方に関しては排尿・排便日誌、また可能ならば超音波を使って実際に尿・便がたまっているかどうかを確認して誘導することが望まれます。もしその段階で下部尿路障害や排便障害があると判断されたら、誘導にたよるだけでなはなく、それらに対する治療・ケアを実施して改善することが必要になります。
毎日日誌をつけることは負担となりますが、排尿日誌に関しては24時間、排便日誌は排便周期がわかるまでつければ、ある程度パターンが読めます。
まずは排尿・排便日誌をデーターして使うことができるように知識を持つことと、そして対応できるチームをどのように作るか、が解決につながると思います。
年だからといってあきらめずに、まずは一人でも良いので成功事例を体験することが大切と思います。